【23歳の転機】一人ぼっちの大学生活が、個の確立に役立った

Profile

ペンネーム: 啓介

転機の年齢:
23歳
現在の年齢:
39歳
性別:
男性
職業:
自営業

Before

実力の無さゆえに、憧れていた大学への受験を諦めた

私は都内にある大学の付属高校の出身です。
卒業生のほとんどは併設大学にエスカレーター式に進む学校でしたが、学力面では平均より上でありながら、生活面に問題があった私はある日、希望する学部学科へは推薦することが出来ないと、校長室に呼び出され学校長から告げられたのです。

青天の霹靂でした。人生のターニングポイントだったと思います。何しろ、その学科は中学時代からの憧れであり、その学科に入りたくてその学校を選んだようなものでしたから。

しかも悪いことに、それを言われたのは高校3年の12月で、暮も押し迫っていた時期でしたから、外部から一般受験をしようにも、準備はしていないに等しい状態です。付属の生徒はみんなそうですが、併設大学に入ることが前提なので受験勉強はしません。

その時、自分の実力のなさを嫌というほど感じました。外部受験は私にとって、戦車に竹やりで突撃するほど無謀なものに感じられ、結局はどこにも願書さえ出すことなく、高校を卒業しました。

転機となったのは、コネで勤め出した土木会社の現場監督をしているときです。

Turning point

現場仕事の後、毎日3時間勉強。遊びたい気持ちとの戦いだった

土木現場の監督という仕事は、言ってみれば自然との闘いです。雨風、ときには雪、みぞれの中でも、歯を食いしばって現場に立ち続けなくてはなりませんから、これ以上なく厳しい環境です。

しかし、世の中にはこうした厳しい職場で生涯を過ごす現場監督がいることを知り、このままではいけない、自分も同じようにこんなところで埋もれてしまいたくない、強くそう思うようになりました。

それからは毎晩、仕事の後に現場宿舎の自室にこもり、受験勉強を開始しました。何としてでも自分が中学時代から入りたかった大学の、希望する学部学科に合格したいと心底思うようになったのです。

現場には気の合う友達も出来ていましたから、彼らの誘いを断るのは大変でした。昼間は厳しい自然環境と戦い、夜は遊びに出たい邪心との戦いでした。

それでも机に並べた参考書と問題集で、欠かさず毎日3時間は勉強をしてから寝るようにして、月に2回の休日はほぼ終日独学で勉強するか、模試を受けに行きました。

そして憧れの大学合格の栄冠をつかんだのは、23歳の時でした。折しも、付属高校時代の同級生はすでに大学を卒業していて、すっかり知り合いのいなくなったキャンパスに一人で通うことになったのです。

お世話になった人を裏切る格好となった土木会社の方は、円満退社とは行きませんでしたから、これから自分は本当に一人で生きていかなければならないのだなと、改めて認識させられもしました。

このままではいけないと考え仕事の後に現場宿舎を受験勉強を始めることに

After

人とは違う人生になったけど、独立精神を身に付けることができた

この時の体験がきっかけとなり、その後の私の人生はそれまでとは大きく変わることになった気がします。思えば付属からそのままエスカレーター式に進学して、そこそこの就職先でも選んでいたら、その後もそのまま苦労のない人生が送れていたかもしれません。

いうなれば無意識に過ごせる人生を歩んでいたと思います。

ところが学部卒業が27歳になる老学生ともなると、キャンパスでも周囲の見方が違います。同期からも教授からも浮いてました。憧れの大学に入ってさえ、一人であることを意識せざるを得なくなったのです。

この経験が、個の確立に役立ったと思います。それまでの流されて過ごすことに慣れ切った生き方が、180度変わりました。それからは、自分で考え、納得できないことは、断固として拒否できるだけの強さを持った人間になれたと思います。

付属特典を奪われ、会社を辞めて学生になり、大学で孤立しながら、得難いものをつかんだと思っています。

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